日本語をキーボードで打つ方法には、「ローマ字入力」と「かな入力」の2つがあります。「うちの子はどっちで練習させればいいの?」というのは、プログラミング教室でも保護者の方からよくいただく質問です。結論から言うと、これからタイピングを覚える子どもには、ローマ字入力をおすすめします。この記事では、2つの入力方式の違いと、それぞれの長所、そしてローマ字入力をすすめる理由を順番に説明します。

ローマ字入力とかな入力ってなにが違う?

まず、2つの方式の違いをかんたんに整理しましょう。

ローマ字入力は、「か」を打ちたいときにKAとアルファベットで打つ方法です。キーボードに書かれているアルファベットを使って、ローマ字のルールで日本語を入力します。いま、学校でも会社でも、いちばん広く使われている方法です。

かな入力は、「か」を打ちたいときに、キーに小さく書かれているひらがなののキーを1回だけ押す方法です。ひらがな1文字=キー1回なので打つ回数は少なくてすみますが、ひらがなが書かれた約50個のキーの場所をぜんぶ覚える必要があります。

どちらでも同じ日本語が入力できます。ちがうのは「指がどのキーを押すか」だけです。

ローマ字入力の長所

教室でローマ字入力をすすめる理由は、大きく4つあります。

1. 覚えるキーが少ない

ローマ字入力で使うのは、アルファベット26キーが中心です。かな入力の約50キーに比べて、覚える場所が半分くらいですみます。キーの数が少ないぶん、指を動かす範囲もせまく、ホームポジションから指がとどきやすいのも利点です。覚えることが少ないほど、最初のハードルは低くなります。

2. 学校の授業とそのままつながる

小学3年生の国語でローマ字を学習し、学校で配られるGIGAスクール端末での文字入力も、ローマ字入力が基本になっています。家でローマ字入力を練習しておけば、国語のローマ字学習の復習になり、学校のパソコン授業でもそのまま力を発揮できます。学びが1本の線でつながるのは、子どもにとって大きなメリットです。

3. 英語のタイピングにもそのまま使える

ローマ字入力でアルファベットのキーの場所を覚えると、その指づかいは英語のタイピングでもそっくりそのまま使えます。中学からの英語の授業、将来のプログラミングや仕事まで、一度覚えた26キーが一生使えるのです。かな入力だけを覚えた場合は、英語を打つためにあらためてアルファベットの場所を覚え直すことになります。

4. 世の中の主流である

いま、日本語入力の主流はローマ字入力です。学校のパソコン室、図書館の検索機、家族のパソコン——初期設定はほとんどがローマ字入力になっています。どこのパソコンでも設定を変えずにそのまま使える、というのは、思っている以上に大事なポイントです。

かな入力の長所も知っておこう

かな入力がダメな方法、というわけではありません。公平に、かな入力の長所も紹介します。

すでにかな入力に慣れている大人が、無理にローマ字入力へ変える必要はありません。ここで考えたいのは、あくまで「これから覚える子どもはどちらがよいか」です。

結論:子どもの学習にはローマ字入力がおすすめ

これから覚える子どもには、ローマ字入力をおすすめします。理由をひとことでまとめると、「学校の学習と将来の英語タイピングに、まっすぐつながっているから」です。

覚えるキーが少なくて始めやすく、小3のローマ字学習・GIGA端末・中学英語・その先のプログラミングまで、一度身につけた指づかいがずっと使い続けられます。かな入力の「打鍵数の少なさ」は魅力ですが、約50キーを覚え直すコストと、英語入力には結局アルファベットが必要になることを考えると、子どもの場合はローマ字入力から始めるほうが遠回りがありません。教室でも、生徒にはローマ字入力で練習してもらっています。

入力方式の切り替え方法

「うちのパソコン、押したキーとちがうひらがなが出てくる」というときは、かな入力になっているかもしれません。Windows の場合、Altキーを押しながらカタカナひらがなキーを押すと、ローマ字入力とかな入力を切り替えられます。画面右下の「あ」を右クリックして、設定画面の「かな入力/ローマ字入力」から変える方法もあります。

切り替えのくわしい手順や、「大文字ばかり出る」「ひらがなにならない」といったほかの症状の直し方は、よくあるキーボードトラブルの直し方にまとめてあります。

まとめ:決めたら、あとは楽しく練習するだけ

ローマ字入力とかな入力は、どちらでも日本語が打てます。そのうえで、これから覚える子どもには、覚えるキーが少なく、学校の授業や英語のタイピングにそのままつながるローマ字入力がおすすめです。

ちなみに、ローマ字には「し」を「si」と書く訓令式と「shi」と書くヘボン式があり、タイピングではどちらで打ってもかまいません。くわしくは訓令式とヘボン式のちがいで説明しています。カタカタランドの花火タイピングは「si」でも「shi」でも正解になるなど、ローマ字の複数の打ち方に対応しているので、学校で習った書き方のまま安心して練習できます。入力方式を決めたら、あとは毎日少しずつ、花火を打ち上げながら楽しく練習していきましょう。

この記事を書いた人

伊藤 啓太

「MUTSUMIプログラミング&クリエイティブラボ」講師。ITやAIの専門家として中小企業の伴走支援や研修も行い、地域の商工会議所にIT専門家として登録しています。教室で小中学生にタイピングとプログラミングを教えた経験をもとに、カタカタランドを運営しています。

トップへ戻るタイピングのコツ一覧へ