「家でも練習させたいのですが、どんなパソコンを買えばいいですか?」——教室で保護者の方からいただく相談です。家電量販店に行くと10万円をこえる機種がならんでいて、子ども用にそこまで必要なのか、迷われるのも当然です。

私がいつもお答えしている内容は、シンプルです。子ども用であれば、必要なスペックさえ足りていれば、中古のノートパソコンで十分です。この記事では、その理由と目安をお伝えします。特定の商品をすすめる記事ではありません。

講師として保護者に伝えている4つの目安

そして、もう1つ大事な前提があります。やりたいことによって、必要なスペックは変わるということです。上の目安は、タイピングの練習、調べもの、ブロックを組み立てるプログラミングといった使い方を想定したものです。

やりたいことで、必要なパソコンは変わる まず試したい 続くか分からない 家にあるパソコンタブレット+外付けキーボード 買わなくてよい タイピング・調べもの ブロックのプログラミング 中古のノートパソコンメモリ 8GB 以上SSDならなお良い 予算 3〜5万円 3Dのゲーム制作 動画編集など この予算では足りないことがある 動作環境を確認
図:やりたいこと別の、パソコンの目安

なぜ、新品の高いパソコンでなくていいのか

理由は2つあります。

1つ目は、子どもが最初にやることは、パソコンにとって軽い作業だからです。タイピングの練習も、調べものも、ブロックのプログラミングも、ブラウザが動けばできます。カタカタランドのゲームも、ダウンロードなしでブラウザだけで動くように作ってあります。高い性能が必要になるのは、もっと先の話です。

2つ目は、続くかどうかは、始めてみないと分からないからです。教室で見ていると、伸びるのが早い子には「家でもキーボードにさわっている」という共通点があります。家にパソコンがあることには、たしかに意味があります。ただ、それは高いパソコンである必要はありません。まずは手ごろな1台で始めて、本人が「もっとこういうことがしたい」と言い出したときに、次を考えれば間に合います。

メモリ8GBを目安にする理由

メモリは、パソコンが同時に作業できる「机の広さ」のようなものです。ブラウザでいくつかページを開き、調べものをしながら何かを作る、という使い方をすると、4GBでは机がせまく、動きが重くなりがちです。重いパソコンは、それだけで子どものやる気をうばいます。キーを押してから文字が出るまでに間があると、タイピングの練習にもなりません。

中古のパソコンを見るときは、値段や見た目より先に、メモリが8GB以上あるかを確かめてください。

SSDは「おすすめ、でも必須ではない」

SSDは、データをしまっておく部品の種類です。古い方式のHDDにくらべて、パソコンの起動やアプリの立ち上がりがずっと速くなります。ですから、えらべるならSSDのものをおすすめします。

ただ、私はこれを「ぜったいの条件」にはしていません。予算が限られているなら、SSDかどうかよりも、メモリが足りているかどうかを先に見てください。

やりたいことが決まっているなら、先に「動作環境」を見る

注意がいるのは、お子さんにはっきりした目的があるときです。3Dのゲームを作りたい、動画を編集したい、特定のゲームで遊びたい、といった場合は、3〜5万円の中古パソコンでは力が足りないことがあります。

そのときは、買う前に、使いたいソフトの公式サイトで「動作環境」(必要なスペック)を確認してください。そこに書かれている条件を満たすものをえらぶのが、いちばん確実です。教室に通っているなら、先生に「うちの子がやっている内容だと、どのくらい必要ですか」と聞くのが早道です。

買う前に確かめたい3つのこと(補足)

ここからは、上の4つの目安にくわえて、中古パソコンをえらぶときの一般的な注意点です。

買わずに始める方法もある

「続くか分からないので、まだ買いたくない」という場合は、買わなくても始められます。家にあるおうちの方のパソコンを、時間を決めて使わせる。タブレットに外付けのキーボードをつなぐ。どちらでも、タイピングの練習はできます。

学校でChromebookなどの端末を使っているお子さんなら、学校のルールの範囲で、その端末で練習するのも1つの方法です。ただし、学校の端末と家のパソコンでは、日本語と英語を切りかえるキーの場所などがちがうことがあります(→ 変換・確定・切りかえの教え方)。

まとめ

パソコンが用意できたら、おうちでの関わり方は家庭でのタイピング学習サポートを、最初の練習は小1からタイピングは早い?を参考にしてください。

この記事を書いた人

伊藤 啓太

「MUTSUMIプログラミング&クリエイティブラボ」講師。ITやAIの専門家として中小企業の伴走支援や研修も行い、地域の商工会議所にIT専門家として登録しています。教室で小中学生にタイピングとプログラミングを教えた経験をもとに、カタカタランドを運営しています。