カタカタランドは、プログラミング教室の講師である私が、自分の教室の子どもたちのために作りはじめたサイトです。

世の中には、すでにたくさんのタイピング練習サイトがあります。それなのに、なぜわざわざ自分で作ったのか。どこにこだわり、生徒の声を聞いて何を直したのか。このサイトの成り立ちを、正直に書いておきます。

教室でのレッスンの様子。講師がノートパソコンの画面を指さして、となりの生徒に説明している
教室でのレッスンの様子(生徒の顔はぼかしています)

きっかけ:低学年の子が使えるサイトが見つからなかった

私の教室では、小学1年生から少しずつタイピングを始めます。その時点で、ほとんどの子はローマ字を読めません。教室で使える練習サイトをさがしたのですが、低学年の子には難しすぎるものばかりでした。つまずく場所は、次の3つです。

  1. お手本のローマ字が小文字で書かれている。低学年の子は、まだ小文字が読めません。しかもキーボードの印字は大文字です。画面の a とキーの A が同じ文字だと分からないのです
  2. お題の漢字が読めない。ふりがながないと、何を打てばいいのかが分かりません
  3. キーがキーボードのどこにあるのか分からない。場所を教えてくれる表示がほしい、と感じました

この3つがそろうと、子どもは最初の1分も楽しめないまま、手が止まってしまいます。それなら、はじめてキーボードにさわる子でも最後まで打ち切れるものを、自分で作ろうと考えました。

教室で見たつまずき・生徒の声 カタカタランドに入れたもの お手本の小文字が読めないお手本を大文字で表示できる お題の漢字が読めないお題にひらがなの読みをつける キーの場所が分からない次に打つキーが光るガイド 「落ち着いて始めたい」(生徒)最初の1打でタイマーが動き出す
図:教室で見たつまずきと生徒の声、それに対して入れた機能

こだわった4つのこと

低学年への対応のほかに、作るうえでこだわった点が4つあります。

1. 何回もやりたくなる「やりこみ」の要素

タイピングは、くり返さないと身につきません。でも、くり返しは飽きます。教室で見ていても、飽きる原因のほとんどは「同じ言葉のくり返しでつまらない」と「上達が見えない」の2つです。

そこで、何回も遊ぶほど、いいことが起きるしくみを入れました。スコアに応じてもらえる称号。打った数がたまると増えていく花火のコレクション。自己ベストと、連続で遊んだ日数の記録。結果画面には「つぎの称号まであと何点」が出ます。ミスの多かったキーも教えてくれるので、自分の苦手が分かります。

2. 軽くて、すぐ始まる

ダウンロードも、アカウントの登録もいりません。ページを開けば、すぐに遊べます。学校や教室には、新しくないパソコンもたくさんあります。花火の描き方も、古いパソコンで動きが重くならない方法をえらびました。

3. ミスしても、終わらない

まちがえるとゲームオーバーになるルールは、はじめての子にはきびしすぎます。カタカタランドでは、何回まちがえても最後まで打ち切れます。そのかわり、ミスをするとコンボが切れます。正確に打ちつづけた人のスコアが伸びるようにして、「速さより正確さ」が自然に身につくようにしました(→ プログラミングとタイピング)。

4. 花火の演出

言葉を打ち切ると、夜空に花火が上がります。正しく打ちつづけると、花火がだんだん豪華になります。打ったことへのごほうびが、その場で目に見える形で返ってくる。子どもが「もう少し打ってみよう」と思えるかどうかは、ここで決まると考えました。

生徒にテストプレイしてもらって、直したこと

ある程度できあがったところで、教室の生徒たちに遊んでもらいました。子どもたちは花火の演出を喜び、友だち同士で称号やスコアを見せ合って競っていました。

そのとき、生徒から1つ要望が出ました。「最初のキーを打ったら、始まるようにしてほしい」。理由は、「落ち着いてスタートできるから」でした。

それまでは、スタートボタンを押した瞬間にタイマーが動き出していました。大人には当たり前のつくりです。でも、最初の1文字をさがすのに時間がかかる子にとっては、何も打てないまま時間だけがへっていくことになります。あせって、ミスも増えます。

そこで、タイマーは最初のキーを打ってから動き出すように変えました。ローマ字表を横に置いて、指を置いて、準備ができてから始められます。生徒の声から生まれた改良です。

作った理由と、実際の設定がずれていた

もう1つ、最近になって直したことがあります。サイトを作った理由の1つ目は「低学年は小文字が読めない」でした。ところが、お手本を大文字にする設定は、最初は「オフ」になっていました。はじめて来た小1の子には、読めない小文字が表示されていたことになります。

このずれに気づいて、低学年向けのどうぶつタイピングだけは、最初から大文字で表示されるように直しました。自分でチェックを切りかえた場合は、その選択が優先されます。

作り方について

カタカタランドのゲームや記事の制作には、AIも補助的に活用しています。ただ、何を作るか、どこを直すかは、教室で子どもたちを見てきた経験から私が決めています。記事の内容も、講師である私が確認したうえで公開しています(くわしくは運営者情報をご覧ください)。

これから

公開したときは7つのコースでした。その後、低学年向けの「はじめてタイピング」など4つを足して、いま遊べるのは11コース、あわせて940語です。これから足していきたいものが2つあります。

カタカタランドは、名前もメールアドレスも集めません。記録は、お使いのブラウザの中だけに保存されます。この方針は、機能を増やしても変えません。

使ってみて「ここが分かりにくい」「こうしてほしい」と感じたことがあれば、お問い合わせから教えてください。タイマーの改良がそうだったように、このサイトは使う人の声でよくなっていきます。

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この記事を書いた人

伊藤 啓太

「MUTSUMIプログラミング&クリエイティブラボ」講師。ITやAIの専門家として中小企業の伴走支援や研修も行い、地域の商工会議所にIT専門家として登録しています。教室で小中学生にタイピングとプログラミングを教えた経験をもとに、カタカタランドを運営しています。